posted by 森田誠 on 2月 25

牙のない犬

自分の犬に咬まれてしまう飼い主さんが多い中、
牙を切られてしまう犬たちがたくさんいます。

何度も大けがを負わされているから、
他人を咬んでからではおそいからと理由は様々ですが
動物病院の獣医に「牙を切ればおとなしくなる」とか
「牙が無くなると自信が落ちて咬まなくなる」などと言われて
牙の切断に踏みきる飼い主さんもたくさんいらっしゃいます。

動物病院の獣医に言われると
ほんとにそうのような気がしてくるんですね。

牙がなければケガをしない?

でもよく考えてみてください。
牙を切断しても何も解決しません。
牙がなくなっても咬みます。
そして、ケガも負わされるでしょう。

犬は咬んだとき、牙が入ったところで止めていますが
犬歯のとがった部分がなくなれば他の歯と揃うわけで
咬まれれば当然、たくさんの歯があたるわけです。
そして今度はさらに深く咬んだところで止めるのです。
ケガの軽減なんてありません。

目先のことだけで、応急処置的なことをしても
根本の心理が変わらない限り解決しないのです。
さらに、牙を切断されたことで
毎日痛みを伴いながら生活しなければならないので
大きなストレスがかかり
以前にも増して凶暴になる可能性があります。

これは虐待の何ものでもないと僕は思っています。

犬たちの心の叫び

今現在、「牙を切ろうか」と悩んでいる方が
いらっしゃいましたら考え直してほしいと思います。

犬が牙をむいてくるということを人間の子供にたとえたなら
台所から包丁を持ち出して、親に向かって振り上げているのと同じです。
その時に
「刺されるかもしれないから子供の手を切断しよう。」とはならないでしょう?

そういう子にしてしまったのは
親であり、飼い主さんです。

犬は言葉が話せません。
そんな犬たちの心の叫びに耳をかたむけてあげてほしいのです。

時間がかかってもその子と向き合い
責任をもって愛情を持ってもつれてしまった糸を
一つずつほぐしていってほしいと願っています。

posted by 森田誠 on 2月 24

どうして犬は咬むのか

犬が咬むという行動には
必ず理由があります。
何の理由もなく咬んでくるということはありません。

精神が病んで咬まずにはいられない犬にも
そこへ来るまでの過程があり原因があります。

人間も犬も感情やストレスの感受性は
まるっきりいっしょです。
嬉しいというストレスがかかると
感情が高ぶり、テンションが上がります。

怖いというストレスがかかれば
そこから逃げたいと思います。
怖い人に追いかけられ、
逃げて逃げて、逃げ回っているのに
行き止まりになってしまったら
そのままつかまるか、
だめもとで抵抗して相手をやっつけるか
どっちかだと思うんです。
犬たちも追い詰められれば
逃げるか、攻撃するか
どちらかの反応をしてきます。

そのへんは人間も犬もいっしょなので
「こういうことをしたら、犬はどう感じるだろう?」
という時は、自分に置き換えてみれば
答えはすぐにでてきますね。

咬む理由のひとつに・・・

自分がされて嫌なことは犬も嫌だということです。
たとえば、いたずらなど困った行動に対して
叩いたりしてわからせようと、しつけと称して熱心に行っても
犬は叩かれることによって どんどん追い詰められ
「もう、いいかげんにしろよな!!!」
というところで牙をあててくるのです。
その時に、人間のほうが手をひっこめたり、ひるんだりするので
「牙をむけば勝てる」と学習し
咬む経験をすればするほど自信もでてきて
人間からの攻撃が来る前に
先手を打って攻撃してくるようになってしまうのです。

叩く事だけが原因ではありません。
人間のこどもに、こんこんと言い聞かせるように
犬に接する教育ママ的な方もたくさんいらっしゃいます。
犬は言われている内容を理解できません。
ただ、なんだかわからないけれど
人間側がどんどん押し寄せてきていることは感じ取りますので
デリケートな子はそれだけでもものすごいストレスになり
追い詰められていきます。

突然、咬んでくる!?

そしてある時突然に牙をむいてくるわけですが
ここで気がついていただきたいのは
犬たちが急に咬んできているのではないということ。
その、もっと以前から
咬んでやろうという「芽」が出始めていたということ。
そして、その「芽」を育ててしまったのは
ほかでもない、飼い主さんだということ。

もう、すでに咬むようになってしまった犬たちの飼い主さん・・・

原因が必ずあるはすです。
その原因にまず気づくことが大切です。

犬たちへの接し方をまず改めて
少しずついい関係を取り戻していってほしいと思います。