Archive for 2月 25th, 2009

posted by 森田誠 on 2月 25

牙のない犬

自分の犬に咬まれてしまう飼い主さんが多い中、
牙を切られてしまう犬たちがたくさんいます。

何度も大けがを負わされているから、
他人を咬んでからではおそいからと理由は様々ですが
動物病院の獣医に「牙を切ればおとなしくなる」とか
「牙が無くなると自信が落ちて咬まなくなる」などと言われて
牙の切断に踏みきる飼い主さんもたくさんいらっしゃいます。

動物病院の獣医に言われると
ほんとにそうのような気がしてくるんですね。

牙がなければケガをしない?

でもよく考えてみてください。
牙を切断しても何も解決しません。
牙がなくなっても咬みます。
そして、ケガも負わされるでしょう。

犬は咬んだとき、牙が入ったところで止めていますが
犬歯のとがった部分がなくなれば他の歯と揃うわけで
咬まれれば当然、たくさんの歯があたるわけです。
そして今度はさらに深く咬んだところで止めるのです。
ケガの軽減なんてありません。

目先のことだけで、応急処置的なことをしても
根本の心理が変わらない限り解決しないのです。
さらに、牙を切断されたことで
毎日痛みを伴いながら生活しなければならないので
大きなストレスがかかり
以前にも増して凶暴になる可能性があります。

これは虐待の何ものでもないと僕は思っています。

犬たちの心の叫び

今現在、「牙を切ろうか」と悩んでいる方が
いらっしゃいましたら考え直してほしいと思います。

犬が牙をむいてくるということを人間の子供にたとえたなら
台所から包丁を持ち出して、親に向かって振り上げているのと同じです。
その時に
「刺されるかもしれないから子供の手を切断しよう。」とはならないでしょう?

そういう子にしてしまったのは
親であり、飼い主さんです。

犬は言葉が話せません。
そんな犬たちの心の叫びに耳をかたむけてあげてほしいのです。

時間がかかってもその子と向き合い
責任をもって愛情を持ってもつれてしまった糸を
一つずつほぐしていってほしいと願っています。